今、花村萬月/浄夜 を読み終わったところです。
すばらしい。名作です。萬月ベスト3が入れ代わったよ。
「浄夜」「鬱」それと何が入るかな。
「風転」か「♂♀」か「永遠の島」か「ブルース」か「重金属青年団」か…
三番目が難しい。まぁとにかく「浄夜」と「鬱」が私の厳選名月の双璧ってことで
諄くなっちゃうけど上記厳選名月には連作モノは入ってないよ。
「私の庭 浅草編」とか凄く良いのだけれど完結してからじゃないと評価は下せないかなってことで…
受け取り方によっては「浄夜」は「ぢんぢんぢん」の練り直し版と思えないこともない。
整形&ヒモという題材をSM&過食嘔吐に変えて鏡に映すと浄夜はぢんぢんぢんになる。
個人的には「ぢんぢんぢん」の終わり方は怖かったんで「浄夜」のラストに好感もってます。
この前読んだ「町田康/真実真正日記」 と、「浄夜」に奇妙な共通点を発見し不思議な感慨です。
ジャンルも読者層も小説に対する考え方さえも対極に在るかなって思える二作なんだけど
両作とも作中に主人公が「浄夜」「真実真正日記」といったタイトルと同名の作品を創り上げること。
最後の数行で物語が覆り読後に不思議な余韻が残ること。
登場人物の読みが難しいところ・舎人憲夫・とねりのりお・は解ったけど江美保元などは未だに読めません。
装丁の意匠は白と黒で正反対。
平成19年1月18日